年末年始のトロント、映画祭りのすすめ！ジブリ、パリオペラ座バレエ、有名シェフがつくるスープキッチンなど

年末いろいろ閉まっちゃうし、何しようー？って人。映画だ、映画！今、まさにホットな映画がいっぱいやってるぞー！

①TIFFでジブリ祭り

TIFFがまた、ジブリ祭りやってるー！
TIFF（Toronto International Film Festival）というとその名の通り、トロント国際映画祭が有名。ですが、St. Andrews駅ちかくにあるTIFF Light Boxでは、年間を通して良質な映画を放映しているんです。ジブリ作品もちょくちょく流してくれるありがたい存在なTIFFが、なんと年末年始、ジブリ大量放映。しかも宮崎駿作品だけでなく他の作品も流すという本気っぷり。すき。

全部並べてみましょう。
宮崎駿作品10本：
・魔女の宅急便
・もののけ姫
・ハウルの動く城
・隣のトトロ
・崖の上のポニョ
・かぐや姫の物語
・風の谷のナウシカ
・千と千尋の神隠し
・借りぐらしのアリエッティ
・風立ちぬ

その他ジブリ作品10本：
・猫の恩返し
・おもひでぽろぽろ
・平成狸合戦ぽんぽこ
・耳をすませば
・火垂るの墓
・海がきこえる
・となりの山田くん
・ゲド戦記
・コクリコ坂から
・思い出のマーニー

いやいや、全部で20本。すごくない！？『海が聞こえる』とか正直知らなかったし。数が多いため一本あたりの上映回数は少ないです。1月10日まで。

②RESET：パリオペラ座バレエドキュメンタリー

昨日は大好きHot Docsで『Reset』というドキュメンタリー映画を観てきました。ダーレン・アロノフスキーの『ブラック・スワン』で振付け師を担当したBenjamin Millepiedが、パリオペラ座バレエ団を蘇らせるべくディレクターとして奮闘する様子を追ったもの。

「バレエダンサーはこどもの頃から、『こんなこともできないのか！』と怒鳴りつけられ、激しい競争の中育てられる。そんなことを繰り返すうちに、楽しいという感覚を忘れ、おびえるようになる。ケガをしても言い出さずに我慢しようとする。自分らしさを押し殺してみんなと同じになろうとする。そんなの、バレエじゃない」

自分自身が12歳の頃からバレエをやってきたMillepied。一人一人の個性を生かし、健康を第一に考え、ダンサーの情熱を引き出しながら舞台を作り上げていく彼は、パリのバレエシーンを揺るがす。世界中の作曲家、指揮者、照明＆舞台デザイナーたちを呼びクラシックとコンテンポラリーをかけ合わせた斬新なバレエの世界観もとにかく美しいので、注目。

1月5日までHot Docs Ted Rogers Cinemaにて。スケジュールはこちらから。

③Theater of Life：たべもの×無駄×ソーシャルデザインなドキュメンタリー

2015年、イタリア万博。世界的に有名なシェフMassimo Botturaがつくりあげるミランのスープキッチンは、万博から出たフードウェイスト（まだ食べられるのに捨てられる食べ物）を使い、ホームレスの人たちに料理を提供をする。これに賛同した世界中の有名シェフたちが、硬くなったパン、明日が賞味期限の牛乳など集められた素材をもとにメニューを考え、家をなくした人々につかの間の一時をあたえる。

この映画のよかったのは、複数のステークホルダーの視点を切り口にスープキッチンを描くところ。

「食べ物には、辛い時にも安心な気持ちを与える力がある。」
「彼らを救おうだなんて、思っちゃいない。ただ、2時間の楽しみを与えてるだけ。これはチャリティじゃない。1億人食べ過ぎてものを無駄にする人間がいて、1億人が腹をすかして飢えている。バランスを取ろうとしているだけだ。」というBotturaたち率いるシェフの抱える熱い思い。

スープキッチンに通うホームレスの人々のストーリーにも焦点はあたる。
ナイジェリアから逃亡してきた後売春をして生きてきたが、今は足を洗い息子を育てるシングルマザー。薬物中毒で自殺未遂にいたった過去を持つ男性は、、薬中患者のサポートをしながらスープキッチンを手伝う。中には、「俺たちは食べ物が必要なんだ。なのにシェフたちはテーブルがどうの、エキスポがどうのって。人間じゃなく、ものとして扱われているように感じる」と去る人も。

普段、私たちが何気なく生み出している「無駄」は、他の人に分けられるのでは？幸運にも教育を受け、スキルを身につけられた私たちができることってなんだろう？さまざまな問いを与えてくれる映画だ。

最終放映は12月29日。Hot Docs Ted Rogers Cinemaにて。チケットはこちらから。

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2016年12月26日月曜日