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2020年2月11日火曜日

カナダ就職4年で年収2.5倍。その過程で学んだ、もっと早くに知りたかったこと。



カナダに住んで5年半、最近転職しました。
年収はカナダ初就職時の4年前と比べて2.5倍に成長しました。

この5年半の間に収入ゼロの貧之学生、就活、契約社員、正社員、 転職…と色々と経験し、移住当時にもっと知っておきたかった!ということがたくさんあるので、そういった学びを公開します。

特に、報酬に関して思うことがたくさんあるのでそこにフォーカスを当てます。会社員オフィス職ポジションの話なので、それ以外の職種には当てはまらないかも知れません。


私の経験 おさらい


・日本の大手広告会社で正社員 3年半
〜貯金切り崩し赤字時代〜
・カナダでデザインスクール 1年
・フリーランス & 就活 数ヶ月
〜ここから黒字〜
・NPOで契約社員 →正社員 計1年
・サービスデザイン会社に転職 3年半→内昇給3回
・Digital Transformation 会社に転職 (New!)

デザインスクール時代と初就職までの1年数ヶ月は貯金だけで生活していました。いつまともな収入を得られるようになるかがわからず暗闇で手探り状態だったので、結構切り詰めていました。

当時、家賃などすべて含めて月1000ドル程度で生活していたのですが、どうやって生きていたのか今となってはよくわかりません。(今は家賃だけで余裕で1000ドル超えるので…)

収入面では、NPOの社員になった時が日本の正社員時代と同じくらい。そこから転職・昇給、さらに最近の転職と、4年で年収は2.5倍になりました。


カナダはどんどん自分の価値を上げていける場所


カナダは経験重視採用なので最初=あまり経験がない頃がとっても大変です。

カナダ人でも新卒未経験の需要はほぼありません。外国人の我々は、そこにビザや言語によるバリアがプラスされます。職種や出身地によって大小ありますが、基本的にCanadian Experienceが好まれるので、日本での経験はカナダやアメリカでの経験よりも低く評価されるという難点もあります。

同時に、エントリーさえ乗り越えればあとは徐々に楽になるのがこの市場の特徴なので、とにかく最初が踏ん張りどころです。

収入を上げる上で、一番手っ取り早い方法はずばり転職です。
特に若い内はこのサイクルも速く、1年程度で次々に転職した友人たちは収入もめきめき上がっていきました(オススメする訳ではありません)。

経験重視採用なので、転職も当たり前です。会社側もみんないずれ転職するものだと思っているし、なんなら上司や人事の方が先にいなくなることも。前の会社を去る理由を説明できさえすれば、白い目で見られないのもいいところです。

最初の給料が特別高くなくても経験を蓄積すればあとで挽回できるので、進みたい分野に近い就職チャンスがきたら、とりあえず入ってみて転職活動を続けるのも手です。



公平に評価してくれるチームといる


カナダで働いて変わったなーと思うことのひとつが、報酬を前よりも重視するようになったこと。

日本では、 あまりお金の話をしないじゃないですか。
お金には言及せずに 一生懸命やるのが美徳である、というのが私の周りでの一般的な価値観だったように思います。新卒入社した大企業はみんな給料一律で年功序列のエレベーター式だったから、昇給うんぬんの話にすらならなかったし。

昔の自分のような境遇の人に伝えたいのが、自分の市場価値に見合った評価をしてくれるチームといることはむちゃくちゃ大事だよ!ということ。

「市場価値」というのがポイントです。
明らかにこれより低い額で雇おうとするところは避けるようにしましょう。

日系企業の求人なんかは見ていてぎょっとするくらい低いものが多いです。スキルが必要な仕事を最低時給で雇っていたり。それならレストランバイトした方が最低時給+チップももらえて儲かります。

お金が一番大事! という話ではないですよ。

他の部分のやりがいとか、一緒に働く人々が好きだとかももちろん大切です。でも、それはあなたが色々な要素のバランスを考慮して決めることであって、会社側が言うことではない。と肝に命じておきましょう。


自分の立場を強くする


こういう風に思うようになったのは、かなりしんどい時期を乗りこえて、立場も気概も強くなり、 ああ、 あの時の自分はvulnerableだったんだなと気づいたから。

外国人、 ESL、有色人種、 女性 。
これらはこれからも変わらないハンデ。私が白人カナダ人男性と同等になることはないし、外国人でアクセントのあるESLなので、カナダ人やアメリカ人女性とすら同等にはなりません。

加えて、永住権を取るまでは期限付きのビザ保持者。
これは就活ではやはり不利で、気持ち的にも引け目を感じていました。

他にも、
・そもそも交渉に慣れていなかった
・日本の基準からすれば十分な額だった(日本で大企業正社員の時と同程度の給与はもらえた)
・永住権取得のためにフルタイム・パーマネントの仕事をキープせねばならなかった
・学生時代は日本で貯めた貯金を切り崩して生活していたためお金がなかった
といった理由で「もしこのチャンスがなくなったら…」という不安があって、NPOと前職就任時は交渉がほとんどできていませんでした。

今は永住権も得て、1年に10〜15回ほどヘッドハンティングのアプローチが来るようになり、得るべきものは得られるようになりました。

ということで、これらのバリアを越えるには自分の立場を強くしていく必要があります。
それには…


まずは経験を積む。


経験がない内は、インターンなどでとにかく経験をつくること。

ボランティアでもいいんですが、なるべく少しでもお金をもらって「リアルな仕事として」経験を積む方がキャリアには役立ちます。またボランティアの場合は、倫理的に募集している団体かどうかを見極めること(雇うべき仕事をボランティアから搾取していないか、ボランティア側のメリットを提示しているかなど)。


とにかくリサーチ。市場価値を知る。


公平な報酬を受けるには、自分の市場価値を知ること。
まずは、
・業界のメディア・コミュニティ
・求人情報
Payscale
Glassdoor(給与だけでなく働いている人や面接を受けた人のレビューもある)
などを膨大に読んで情報収集。

いいですか、「膨大に」が大事です。
ネットでくる質問は、ググれば5分でわかるような内容が多いです。ビザのこと、就活のこと、あなたが悩んでいることは世の中の人の多くが通った道なので、オンラインだけでも膨大な量の情報が得られるはずです。とにかくリサーチが大事です。


リサーチ②リクルーターと話して感覚を掴む


これは経験がまだない人には難しいですが、中級以上の人には有効なのでオススメ。

私自身、とても親切なリクルーターと出会い、報酬の話をしていた時に「あなたのスキルならこのぐらい狙えるよ」と自分で考えていた額よりも多く教えてもらいました。これが今の仕事を受けた時の交渉に役立ちました。ちなみに今の仕事もリクルーターからのアプローチがきっかけでした。

一応言っておくと、リクルーターは営業職に似ていて、うっとうしい人が大多数です。が、たまにこういう親切丁寧な人がいるのでめげずにやりとりしてみてください。


リサーチ③実際に面接を受けてみる


面接を受けたり交渉していく内に、自分に何が足りないか、また各社が今の自分のスキル・経験レベルに支払える額が見えてきます。一度就職してからも続けていくとデータが溜まるのでオススメです。


ニッチ度を上げる


ニッチ度というのは、需要と供給のバランスのこと。

今はヘッドハンティングがよく来るようになったと言いました。
これは、私がこれまでの経験を通して「なかなか他にいないデザイナー」という立ち位置に近づいてきたからです。

つまり、競合となる人が少なければ市場価値は上がるよという話です。長くなるのでまた別で書きますが、近い話として前に経験のかけ算について書いたので参照してください。


訴えないものはもらえない。ほしいものは自分で手に入れる。


これがおそらく一番大きな学びです。

前職で昇給を3回受けたと書きました。
これは、いい子にしていたらはいどうぞとくれたものではなく、実は全部上司に直談判した結果です。

前の会社に入った時に、きちんと報酬の交徏をしなかったことはずっと後悔していました。どう考えても私のスキルと経験より少ない給与でスタートしたことが判明してしまったから。

悶々と悩んだ結果訴えたところ、その度に昇給されていきました。言えばもらえるってどうなの?と正直思いますが、私だけでなくカナダ人でもそんなもんなのです。

みんな、自分で手に入れている。
給与であれ責任であれプロジェクトであれ、ほしいものがあるなら、戦わなければならない。"The squeaky wheel gets the grease."という言葉を最近知りました。キイキイと変な音がなる車輪には、油をさしたくなるもの。

「いい仕事をしていれば評価してくれる」という美談は、ほとんどありません。そういう話を聞くかもしれませんが、とてもラッキーなケースか、もっと早くにそうなるべきだった人が多いんじゃないかと思います。

もう二度とあんな思いはしたくなかったので、今の会社からアプローチを受けた時はリサーチで割り出したかなり強気の数字を言って、最終的にOKをもらうことができました。


以上、日本の大企業・終身雇用ではしなくてよかった努力が必要なのが、海外就職。大変なこともありますが、トライしてみたい方は参考にしてください!

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