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2016年12月5日月曜日

ニューヨークでアートを堪能してきた

グッゲンハイム・ミュージアム

行ってきました、ニューヨーク。愛しのダーリンに会いに。
前半2日はマイコーとマイコー元彼に色々連れてってもらい、後半2日はひとり旅。

「NYはやることがありすぎるから、プランニングが大事よ。あらかじめ何やりたいか教えといてね!」

とは言われたものの、したいことといえばアートとアートとおいしいもの、おいしいもの、お酒、あと建築ぐらい。ってことで初NYなので、メジャーな美術館から攻めることに〜。


グッゲンハイム・ミュージアム



ぐるぐる建物のグッゲンハイム。
今回行った美術館の中では小さめで、1〜2時間過ごすのにちょうどいい。

今はAgnes Martinというカナダ人アーティストの展示をやっている。カナダ人が活躍しているとテンションが上がります。


Martinはミニマリズムとアブストラクトの中間を極めていった人だ。
らせん状の廊下に作品がずらーっと並んでいてぐる、ぐると登りながら鑑賞する。この展示のすばらしかったのは、キュレーターの紹介文のダントツな美しさ!記号の使い方も。文法も。美しい英語フリークな私は大興奮。凛とした文章でMartinのアーティスト人生の変遷を解き、観客を作品の世界へと送り出す。

また、小さい展示室でやっていたTales of Our Timeという中国・台湾・香港系アーティストたちによる展示がとてもよかった。


内ひとつは、台湾のタクシードライバーとの会話をひたすら録画したビデオ作品。本土の中国人観光客を長年乗せてきたおじさんドライバーのインタビューは、中国と台湾の緊張関係を見せる。



その横には、日本統治時代の台湾を表したこの作品。
日本・台湾両国の伝統的な布を組み合わせたコラージュだ。小さく置かれた説明書きには、日本統治時代の台湾の様子が記されている。日本名に改名させられた時、台湾の人々は漢字を組み合わせて元の名前・アイデンティティを残す工夫をしていたことなど。読んでいて胸がぎゅっとなった。台湾は日本に統治された国の中でも親日として有名だけれど、苦々しい思いをした人たちがいることを忘れてはいけない。

海外にいると常に考えるのが、「日本人としてどう生きるか」ということ。

ここトロントという国際都市で、世界中の人と会い、話をしてきた。
カナダ人もヨーロッパ人も、私たちが習わない、日本による各国の植民地化や暴力の歴史について学校で学んでいる。ニューヨークのミュージアムではこうやって、若い世代がキュレーションしている。日本人の私たちはこれらを学び、今も続く緊張関係に意見を持っているだろうか。

永久展示はちょっとしかない。ピカソ、ルノアール、セガール。この辺はささーっと見て終わり。Maurizio Cattelanによる金色トイレのインスタレーション「America」は1時間待ちの行列だったので見ずに出た。



MET: The Metropolitan Museum of Art


グッゲンハイムの後は、セントラルパークを挟んでMETへ。
とにかく大きい。大きすぎる。あらゆる時代のあらゆるものが所狭しと並んでいる。ルーブル美術館みたい。

なんと料金は自己申告(!)。

「セレブたちによる莫大な寄付金で成り立ってるからね〜」
「へえ〜」
「今度、出席するセレブ全員がコムデギャルソンを着てくるチャリティがあるんだよ!」←マイコーはギャルソンに給料のほとんどをつぎ込んでいるような人
「マイコーもちゃんと招待されてるでしょ?見せつけてやらないとね。」
「いや何千万円っていう寄付ができるセレブしか招待されないんだけど」

なんて言いながらカウンターでいくら払いたいか伝えて、支払い証明シールをもらう。グッゲンハイムでどっと疲れたから、カフェでおしゃべりばかりしていた。

唯一見たのがThe Costume Institute
コムデギャルソン、イッセイミヤケといった日本人デザイナーの作品に心の中で旗を振る。

コムデギャルソンのドレス。似合う自信があるので着させてください。


クリスチャン・ルブタンの「Pumps」


マルタン・マルジェラの羽織

この曲線の、美しさ!
着物の帯のようなリボンの飾り付けがたまらない。


MoMA: the Museum of Modern Art



一番行きたかったMoMA〜!これは一人行動デーに。
朝から色々行ってたら閉館1時間前のギリギリ滑り込みに。

チケットを買うと、なぜか半額だ。
なぜ半額なのか尋ねると、「毎日、閉館1時間前になると半額なのよ〜」とのこと。ラッキー。

ロビー

1時間しかないので見たいものを絞る。6階でやっているフランシス・ピカビアをメインで見ることにした。

大学の頃、ダダイズムにハマっていた。ピカビアはダダイズムのシーンでいくつか作品を見たことがある程度。実は、実験的にあらゆるスタイルに挑戦していった人だったよう。展示は印象派からスタートと、したかと思いきや、7点ぐらいで終了。次はキュビズム×アブストラクト。映像作品挟んでダダ、独自のスタイル「モンスター」、多重露光写真のようにいくつもの絵が重なった「Transparances」と、みるみるとスタイルがガラリ変わる。

な、なんやこの人おもしろいー!

同じ場所を何度も何度も描き、時間の流れとともに移ろいゆく世界を捉えたモネとは、正反対だ。そこにピカビアの生きざまを感じるし、共感できる。あれもこれもやりたすぎる私は、モネにはなれない。でもピカビアになら、なれるかも(気のせい)。

ボートに移り住んで実験的なスタイルの展開を試みる(モデルの顔に気持ち悪いブツブツを描いたり)も、ドープすぎて売れ残ったり返品されまくった時期の話がとてもいい。


出展
出展
出展

この雑誌のシリーズが一番の胸キュンでした。

日本人アーティスト、古橋悌二さんのインスタレーション「Lovers」も見た。

出展

他はさらりと流す程度で、タイムアップ。4日間で周った美術館はこの3つ。ひとまずは大御所をチェックできて満足!


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