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2013年5月25日土曜日

「幽霊・妖怪画大全集」に行ってきた



「幽霊・妖怪画大全集」に行ってきたのですが、これがとてもよかった。

中身は福岡市博物館所蔵の160点の幽霊と妖怪画。ほとんどが江戸時代の錦絵で、ちょこちょこ明治とか昭和もある。福岡市になんでこんなに妖怪の絵が集まったのかすっげー気になるけど、浮世絵好きにはたまらん内容です。じゅるり


私は幽霊にも妖怪にも詳しくはない。錦絵が好きで国芳のフライヤーだったから行っただけで。
だからちょっと怪しいオカルトな世界かなーと思っていたのですが、意外なことにどの作品も恐ろしいものはほとんどなかった。むしろ妖怪なんてかなり愛らしくて、人が長年愛用している物(やかんとか湯のみとか)に宿って夜中に踊りだしたり、宴会を始めたり、イッツア水木ワールド。ただおつかいしてくれるだけの妖怪なんてのも。それぞれ、当時の人々の生活と深く関わっているのがおもしろい。




あと、幽霊画でも妖怪画でもないけど、
個人的にすごく好きだったのは耳鳥斎の「地獄絵巻」(これは大阪歴史博物館所蔵)。
これが、言葉のイメージと絵の剥離が激しいんですよ。色んな職業の人たちが行く地獄が描かれていて、タバコ好きの人がタバコにされて鬼に吸われてたり、硯屋(すずりや)がすずりにされて体で墨すられてたりするんだけど、

タバコ好きの地獄(鬼に吸われてるのが人)


文字にすると恐ろしいのに登場人物が全員楽しそうな顔してるのが特徴。
妖怪にしろ、地獄絵巻にしろ、日本人のこういうものの捉え方って粋で、ほっこりする。今と死生感が違うように思います。

いつから変わっていったか?というと1つの指標は明治時代かと。展示の中でも、西洋文化が入ってきた明治から、幽霊の浮世絵が激減したと書いていました。幽霊なんてものを見る者は、精神の病とされたからだと。私はこういう理由で時々、明治を恨む。科学や合理だけで説明できないものを大切にする精神はとても美しいから。


とにもかくにも、幽霊・妖怪画大全集は老若男女集まりすぎ、激混みすぎでした。(正直そんなに人いないと思ってた) 6月9日までやってるのでまだの人はぜひ、平日もしくは休日昼頃までに行った方がいいですよ。


(本当は国芳のことを書こうと思ったのに長くなったので持ち越し。)


あと、こんなん見つけたからぜひ行きたい!