営業トークができなくてもネットワーキングはできる、という話。
大事だ大事だって言われるんですよ。ネットワーキング。
でも、この言葉に抵抗がある人は、実はカナダ人でも多い。そりゃ前職営業とかでもない限り、Introvertにとっては人脈づくりだ!仕事紹介だ!なんてやだなーと感じますよね。じゃあどうすればいいねん?というところを、経験をもとに超主観で書いてみます。ひとつの意見としてお聞きください。
さて、ネットワーキングと言われて「やだなあ」と感じる人は大抵こんな感情が湧いているからじゃないでしょうか。
・知らない人と話して会話がうまくいくのか不安、気まずくなりそう
・バリバリの知識や経験、地位がないと相手にされない気がする
・自分を売り込むのが苦手だ
いや、私がそうだったからです。特に、日本では異業種交流会なんてマルチビジネスの温床でしょ、と思っていました。うさんくさい人が集まってそうという苦手意識があったんですね。こっちの交流会はというとデザイン関連を中心に言えば、うさんくさい人はいなくはない。いなくはないけど、そんなにいないのでご安心を。
また、私の場合は「うまく会話しなきゃ」といった不安を捨ててから、かなり楽しめるようになりました。同じ業界のプロフェッショナルと友達になる、話をとことん楽しむ・オタクトークで盛り上がるという意識に変わってから。
いや、試しに行ってみた一件目のイベントがビール飲み放題で。お酒が入るといい感じに頭のネジがゆるみ、小さいことが気にならなくなって。数人と盛り上がった上で連絡先を交換し、1番お目当てだったスピーカーとして来ていた人にも話しかけに行きました。そうしたら相手が私の研究所を知っていたので、当時私が企画担当していたパーティーイベントに招待。今では酔っぱらいながら熱くデザイントークができる関係に。ここから色々吹っ切れて、どんどん一人で新しいイベントに踏み込むようになりました。
「ネットワーキングやだな」の気持ちの裏には、「自分がされたら嫌だな」という価値観がありました。私はいきなり赤の他人に「仕事くれ!」という態度で来られたら嫌だったので、自分もしたくなかった。だから、無理に売らないことを心がけています。
じゃあ何するかっていうと、とにかく人と話す・聞く・繋がる、そして時に堂々と助けを求め、自分も助けられることはお手伝いする。
人って話を聞いてくれる人が好きなんですね。私は自分の話をするより、質問したり色んな人のストーリーを聞きたいタイプ。だからこれをバリバリやって、合間合間に自分の意見も共有。不思議なもので、素直に自分がやってきたこと、やってること、興味関心をnerdyに話していると色んな同業の人と仲良くなるし、疑問質問を話すとなんだかポロポロと手伝ってくれる人も出てくるんですよ。
また、就活を考え始めた頃、「カナダでの就活よくわかんないなー」って疑問を周りやネットで知り合った人たちに聞いていたら、こういうサイトがあるよー、こういう団体に入ってみたよー、履歴書見てあげようか?面接の練習付き合うよ、人紹介するよ、とどんどん助けてもらえて。気づかなかったけど、これが既にネットワーキングの第一歩でした。
あとは、自分も人の役に立つようにすること。新しく知り合った人でも元からの知り合いでも、自分の知っている情報が役立ちそうな人がいたら共有する。私を熱心に手伝ってくれた人たちが口を揃えて言ってくれたのは、「僕も色んな人に助けてもらったし、君が将来僕の入りたい会社にいたり、雇う側になることだってあるかも知れないしね」。ネットワーキング社会だからこそ、今手伝った人が将来、採用のきっかけになるなんてこともあるんですね。この辺は、ペイフォワードの精神でやりましょう。
まとめると、個人的に思うネットワーキングのコツは、こんな感じ。
・知らない人にもどんどん話しに行く・会いに行く
・会話を楽しむ、熱いオタクトークをする>自分を売る
・素直に疑問に思っていることを色々聞いてみる
・お返しする・自分も他人のお手伝いをする
ってことでこっから私の経験談を共有。
①ネットで知り合ったデザインオタク
ネットで知り合った中で、デザインや都市の話で盛り上がりすぎて仲良くなったアーバンデザイナー。ポートフォリオも履歴書も見てもらって、お前おもろいやん!と、すっかりオフラインでも友達に。他のデザイナーやエンジニアを紹介してくれたり、自分の会社の上司に私の話を持ちかけてくれたりとにかく全力で助けてくれます。
前回書いたNPOの仕事をくれたのも彼で、これも向こうから提案してきてくれたんですよね。ちなみに仕事は抜きにしても、今もいい友達です。
②レビュー会での出会い
プロのデザイナーがポートフォリオを見てくれる会に行った時のこと。
15分ずつ3名のプロとペアアップされてレビューするとだけ聞かされて行ったら、ポートフォリオを使ったプレゼンをしろという無茶ぶりを受ける。1人目の人と挨拶した直後に分かって、全然準備できてない中もう帰りたい、コレ終わったら2人目行かず帰ろうかとか考えながらボロボロのプレゼン。
ところが、1人目のデザイナーのおじさんから、「いかにもなグラフィックデザインなポートフォリオしか見たことないからビックリした、おもしろい!」とポジティブなフィードバックが。また、こういうことがやりたいという話をしたら「君は正直色々な経験がありすぎて、僕だったらこんな応募者が来たらどのポジションでもoverqualifiedやって引いてまうわ」と言われ、応募先によって内容減らした方がいいかもねとアドバイスをくれました。他にも色々的を射たことを言ってくれ、君の履歴書キープしていい?何か見つけたら連絡するよと言ってさよなら。
間髪入れず、2人目。いかにも経験豊富そうな銀髪レディー。ポートフォリオ自体のレビューは全くなく、いきなり「おもしろいスキルと経験を持ってるわね。どういう仕事探してるの?」と質問される。こういうのです、でもここでそういう仕事って少ないなと悩んでます、と話すといくつか会社の候補を挙げてくれた後、「○○で働いている友人がいるから、話してみなさい。約束はできないけど興味持ってくれると思うわよ」と人を紹介してくれることに。他の悩みにも目から鱗なアドバイスをくれてめちゃありがたかったです。
3人目は普通だったので割愛するけど、この会、レビュアーが各デザイン会社のえらいさんばかりだったんですね。正直グラフィックデザイナー向けの会だから、デザイン戦略系の私には役立たないんじゃないかと思いながら行ったのだけど、違う分野だからこそある意味目立っておもしろがってもらえたし、経験豊富な人たちと話せてかなり役に立ちました。
この2つでも、私はとにかく人に出会いに行き、自分がやってきたこと、情熱を持っていること、悩んでいることを共有しただけ。大事なのは、自分の経験や興味関心を理解した上でおもしろがってくれる人と出会うことなんだと思います。
①の彼は、大手企業のいいポジションにいて大学教授までやっているため、学生など大して知らない人から自分を雇ってくれと言われることがしょっちゅうあるそうですが、そういう人は相手にしないと言っていました。
おもしろいと思える実績があるとか、共感できる考え方があるとか、単純に人として好きだとか。そういう関係性が自分のネットワークになる。その方が自分も楽しいですしね。
ってことで営業系のトークが苦手な人はそれはそれで、気楽なネットワーキングもありだと思いますよ。
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