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2016年7月9日土曜日

日本にいると自分の「幸せ」がブレる、と感じた話

一時帰国・大阪|カナダ在住デザイナーブログkurakura

一時帰国してきた。そして日本という国は大好きだけど、今は住めないなーと思った。
2週間の滞在中に3つも旅行を入れたのでバタバタだったのだけど、ちょっと落ち着いた時にさえりさんのブログを読んだ。

ここは1ヶ月たってもなお”最高”だし、友達との時間も楽しい。
ただあまりに平和すぎて、心がざわつくのだ。

不意に自分を見失いそうになる。自分がしたいこと、しあわせとおもうこと、なりたい自分。それらを見失いそう、と思いつつ、「”なりたい自分”」という言葉でさえ、ここではなにか存在が危うくなる
(※さえりさんは現在スペインにいる)

あーその感じ、わかるかも。私の場合、日本と海外の位置が、逆だけど。

「平和すぎて生き方への向上心が減少する」という感覚は、日本で勤めていた時の方が感じていた。大企業で、平均所得よりも多いお給料をもらっていて、そのままいれば30代になる頃には収入が倍近くなる。毎日が忙しくて、あっという間に年を取ってしまいそう。日本人として日本にいて日本の会社で働く私は、あらゆる面で社会に守られていた。

一方、ここでは私は外国人。ただいるだけでもビザがいる。ビザを戦略的に更新していき、カナダ人を差し置いて私を雇う理由の証明をし、正社員になって初めて保険がもらえる。常に、何かと闘っていなければいられない。


自分の「幸せ」がブレる感覚


28歳、結婚ラッシュ。
日本に帰ると、仲のいい友人はほとんど結婚し、未婚の友人たちは焦り始めていた。だって30になる前にしなきゃ行き遅れるし、こどもを産めなくなるかもだし、親に孫を見せなきゃだし、おばさんになったら誰ももらってくれなくて、生涯未婚になるかも…

あー、この感覚、懐かしいなと思った。そしてこれが私の頭に浸透してしまう前に早くここを出なきゃ、とも。

「いい女とは」「よき彼女」「女子力」「干物」「輝く女性」・・・当てはめられる枠の多さに眩暈がする。「この夏は◯◯女子、このアイテムで××!」常に新しい物とそのマーケティングに溢れていて、本当はほしくないようなものもほしいように思える。

日本はいろんな基準が高い国だ。同一民族でほぼ成り立っているからだろうか。「これやらなきゃ」「これ持ってなきゃ」「こうしなきゃ」が多すぎて、他人の決めた基準を満たしている間に自分を見失いそうになる。でもその焦燥感、はたして自分の価値観からきてるのだろうか。

なんだかんだ言っても、ニッポンは楽しい。
街が大きいし、オシャレな人やもの、おいしい食べ物がたくさんあって、交通機関が著しく発達しているし、あとウォシュレット、お前最高。2週間、本当に楽しかった。一番の目的だったおばあちゃんとの温泉旅行もできた。中国人観光客に混じってマツキヨでめっちゃ買い物もした。でも、帰る時間がきたなと思った。これでいい。たまに帰ってきて一切合切便利なものやサービスにお金を使って、日本経済を少し潤わせて、私はトロントに帰る。

帰ってきて、マイコーともそんな話をした。
「お気に入りのショップがセールやってんだけど、見に行くべきかな」
「もうすぐパリに旅行に行くんだから、その時でよくない?もう大きな買い物はヨーロッパとか日本、NYに行く時でいいじゃん」

トロントにいると、物欲が沸かない。色んな人種が好きな格好をして自由に生きているから、「こうならなくちゃ」という脅しマーケティングに焦ることがない。気づいたらここは、自分とは全く違う人たちに刺激されながら、したいことやほしいものに集中して、シンプルに生きられる場所になっていた。

ずっといる!なんてことも思っていないけど、私が今「帰る場所」はここなんだな、ってすとんと胸にきた。

ただいま、トロント。


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