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2013年11月4日月曜日

資生堂に学ぶこと|「SHISEIDO THE GINZA」に行ってきたよ。

出展:http://stg.shiseido.co.jp/

資生堂のアートワークが好きすぎる。
 私を広告に導いたきっかけの1つは間違いなく資生堂広告。卒論も資生堂広告を用いて研究したぐらい好き。それが原因で競合他社のクリエーティブの面接で「あなた資生堂が好きなんですか?じゃあ資生堂に入社すればいいじゃない」と言われたりもした。笑 (そのメーカーの広告が研究材料には適していない理由はいっぱいあったけど言わないでおいた。)


そんな私が先月東京に行った時、SHISEIDO THE GINZAに立寄ったので、情報UP!
 元々は昔(60-70年代)のグラフィック広告が大好きだったんだけれど、プロモーションや企業姿勢も、知れば知るほど好きになっていく不思議。


SHISEIDO THE GINZA


資生堂ザ銀座は中央大通りに沿って、資生堂パーラーと並んでいる。
 中には歴代の資生堂製品がギャラリー風にずらり。(全部かはわからないけど)手に取って試せるし、洗面台も併設されているので洗い流して他の物を試すことも可能。テストした上で商品をその場で購入することができ、更には企業史に触れられるギャラリーとしても、とてもいいPRだなと思った。

 他にも、AR(拡張現実)を使ってパネルで好きな化粧品シリーズや色を選択すれば、メイクを顔に反映させてくれる鏡「ミライミラー」というおもしろいプロモーションも。

出展:http://stg.shiseido.co.jp/

これ、結構感動した。笑 技術的にはありふれたものだけど、ユーザー目線でやって楽しいとか、思わずやってしまうARってなかなかないから。
 それにARってどうしても反映する位置がズレてしまったりしがちなんだけど、これは再現性が高く、「おおー」と思いながらできるのも◎。
 ただ、色んなカラバリが試せるとか、あのシリーズとこのブランドと・・・という組み合わせを変えられるというメリット訴求なんだろうけど、リアルな化粧品が目の前で試せるから購買に対するメリットとしては少ないかな。


 余談だけど、中国人団体客がすごくうるさかったのが残念だった。。資生堂化粧品って中国では特に人気だし、ドラッグストアで大量に購入してる集団、見かけるけどさ。ドラッグストアは許せてもこの美しい空間では許せない。。

Paper Work:資生堂の発行物たち


で。来ましたよ、グラフィック!ペーパーワーク!色んな発行物がフリーペーパーとして置かれているのでざざっともらってきた。個人的にビジュアルは昔のが好みだけど、今でも自社デザイナーを構えているだけあってとても美しい。

 特によかったのが左に写っている「SHISEIDO THE GINZA COLLECTION AW 2013」。様々なアーティストやデザイナーとコラボしながら日本の「伝統」や現代のライフスタイルを追求した作品/商品がコレクションとして掲載されているフリーペーパーだ。
 これが今の自分の関心に高いレベルでマッチもしているし、何より企業姿勢・CSRの一貫としてこういうことをする/できるのが資生堂ならではでいいなあと思った。


 私が好きな60-70sのイケイケグラフィック+キャッチーなコピーの広告も、結局は戦争からの復旧が進んで、豊かな生活を求めた消費社会の中だからこそできたことなんだよね。今でももちろん消費を煽る広告っていうのはある一方で、ちゃんと時代に合わせて変遷させていっているところがさすがというか、広告をつくる一人間として見習わなきゃいけないところだと思った。

 特に、CSR活動って企業の商品やサービスのカバーアップ的な立ち位置にしているところが多いと思っていて(この辺詳しくは知らないけど)。例えば自然を破壊するような商品を売っている会社が、砂漠に植樹したりさ。ちゃんと、環境のことも考えてますよーっていう社会に対するメッセージとしてね。
 でもそういうところでごまかすようにアピールするんじゃなくって、女性の美とか日本の美を発展させる一助でありたい、っていう企業姿勢を詰め込めるところが、資生堂のかっこよさで、やっぱり好きだなと思いました。